現段階におけるモデルのクローズド性について

2025年10月10日

はじめに

言語モデルの発表以来、オープンAPIの利用可能性やサードパーティプロジェクトへのモデル統合の可能性について、コミュニティから多数の質問を受けています。私たちは製品に対するユーザーと開発者の関心を高く評価しており、現段階でモデルが公開利用できない理由を詳しく説明する必要があると考えています。

この決定は最終的なものではなく、技術的、法的、戦略的要因の組み合わせによって決定されています。私たちはコミュニティとのコミュニケーションにおいて最大限の透明性を目指しており、現在のモデルアクセスポリシーを決定した状況について率直に議論する準備ができています。

現在の開発段階とデータ品質管理

私たちのモデルは活発な開発と継続的なトレーニングの段階にあります。この段階では、アルゴリズムのさらなる改善に使用されるデータの品質と出所を完全に管理することが極めて重要です。この段階でのオープンアクセスは、未検証データの制御不能な流入のリスクを生み出し、トレーニング品質とモデルの安定性に悪影響を及ぼす可能性があります。

私たちは厳格なトレーニングデータ検証基準を遵守しています。各データセットは、技術要件、倫理規範、セキュリティ基準への適合性について多段階の検証を受けます。このアプローチには、すべての入力データがチームの品質管理システムを通過するクローズドアーキテクチャが必要です。

質の高いトレーニングデータの確保において重要な役割を果たしているのが、日本の主要研究機関との協力です。私たちは東京工業大学および東北大学のデジタルトランスフォーメーションプログラムの一環として協力しています。これらのパートナーシップにより、学術的検証を経た慎重にキュレーションされたデータセットへのアクセスが可能になり、現段階でのモデル開発に不可欠です。

モデルの早期公開は、必要な管理レベルを確保できるよりも速く外部要因が製品開発の軌道に影響を与える状況につながる可能性があります。これは、安定した質の高いサービスを提供するというユーザーへのコミットメントと矛盾します。

パートナーシップの義務と技術インフラ

私たちのモデルの開発は、多層的なパートナーシップシステムによって可能になりました。技術レベルでは、AWSやNVIDIAを含む業界をリードする企業と協力しており、この規模のモデルのトレーニングと展開に必要な計算能力と専門機器へのアクセスを提供しています。

技術パートナーとの契約の枠組みには、機密保持条件により詳細を開示する権限がない特定の義務があります。これらの契約は、提供されたインフラストラクチャの使用条件と、それを使用して作成された製品の配布条件を規制しています。

現段階でのモデルのクローズド性に関する決定は、これらの技術パートナーシップの条件を厳格に遵守する必要性によって部分的に決定されています。将来的にモデル使用条件を拡大する可能性について、パートナーとの継続的な対話を維持しています。

競争優位性の維持

人工知能市場は、高い競争と急速な技術発展を特徴としています。私たちのモデルには、重要な商業的および科学的価値を持つ独自のアーキテクチャソリューションとトレーニング方法論が含まれています。

私たちは研究開発に多大なリソースを投資しており、モデルのクローズド性により、これらの投資の成果を競争優位性として保持することができます。これは、私たちの技術を科学および開発コミュニティから永久に隔離する計画があることを意味するものではありません。

モデルが安定した状態に達し、持続可能なビジネスモデルを形成した後、APIの公開に関する問題は、すべての利害関係者の利益を考慮して再検討されます。

財務モデルと開発の独立性

私たちの会社には、プロジェクトの加速的な拡大を可能にする大規模な財務スポンサーやベンチャーキャピタル資金がありません。私たちは独自の財務能力に基づいて発展しており、これには収益化と知的財産保護に対する特にバランスの取れたアプローチが必要です。

大規模な投資家がいないということは、製品開発戦略に対する外部からの圧力がないことを意味し、これは研究方向の管理を維持する観点から利点であると考えています。ただし、これはより慎重な財務リソース管理の必要性も意味します。

私たちの制限は財務分野にのみ関係していることに注意することが重要です。技術的な観点からは、モデルのさらなる開発と拡大に障害はありません。AWSおよびNVIDIAとのパートナーシップにより、必要な計算インフラストラクチャと専門知識へのアクセスがあります。

アクセス公開の展望

私たちは開発コミュニティにとってのオープンAPIと統合の価値を理解しており、モデルの現在のクローズド性を永続的な状態とは考えていません。製品の安定化、パートナーシップ義務の履行、持続可能なビジネスモデルの形成に伴い、モデルアクセスポリシーを再検討する予定です。

アクセス公開の可能な方向性には以下が含まれます：

• 開発者向けドキュメントを備えた公開APIの作成
• 研究機関および教育機関向けのパートナーシッププログラム
• 企業クライアント向けの専門ソリューション

このような公開の具体的なタイムラインと条件は、主要な技術的およびビジネス指標の達成後に決定されます。

関心のある開発者や組織には、私たちのコミュニティに参加し、プロジェクトの発展について最新情報を入手することをお勧めします。アクセスポリシーのすべての重要な変更は、統合準備のための十分な時間を提供して事前に発表されます。

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